知識のブラックホール

知識収集活動全般。

善悪についてちょっと考えて見る?(書評:悪人のススメ いつまで「いい人」を続けるのですか)

物足りない本。ちょこちょといいこと書いてるなあとは思うけど。コスパは良くないな。

要約すると、一生「いい人」でいるのは無理があるから無責任な善人よりは適度にちょいワルで行こうってところか。 あとナメられてはいけない、かな。 まあ全くいいところのない本というわけでもないところがまた微妙。

秀逸だと思った箇所を抜き書きしておく。

自分をさらけ出すクセつけることだ。つまり、自分の悪もちゃんと人に見せる。いい人には、これができない。自分をよく見せようということしか頭にない。

引用されているニーチェの言葉もなかなかいい。

「悪人が害悪を及ぼすと言っても、善人が及ぼす害悪に勝る害悪はない」

どっちかというと引用元が素晴らしいようにも思うけど。

いじめ関連だと、引用されているアメリカのキング牧師のお言葉もいい。

「最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である。沈黙は、暴力の陰に隠れた同罪者である」

ごもっともで。

サラリーマンに参考になりそうなのは競争社会についての節。

好むと好まざるにかかわらず、そんなレースに参加してしまった時、どう振る舞うべきか。出世意欲など全くない人、他人を押しのけるのが嫌いなタイプの人は悩むかもしれない。
そんなときは、ゲーム感覚を取り入れてみればいい。

まあそいういうゲームだと思えば、罪悪感も薄れるか。殺し合いじゃないし? 競争そのものを全面的に肯定しているくだりは若干違和感がある。

あとは嫌われ云々というところ。我が道を行くなら一部の人間から嫌われても仕方がないというのは同感。

海外事例から聖書の故事まであれこれ事例を引き合いに出してはいるけど、どうもインパクトに欠ける。 まあ言われてみればそれもアリですね、みたいな感じ。体罰肯定論あたりにどうも昭和世代くさいと思ったら著者は1935年生まれだと記載があって納得した。

どうも何冊も自己啓発本を書いている著者というのは内容が薄いというか、はっきり言ってハズレが多めな気がしてならない。

表紙が類人猿なのな如何なものかと思ったが、内容的にも読者を少しばかりなめてないか。

同じような道徳観についての本だと、北野武さんの道徳の本をお勧めしたい。

まあ同じ著者の本は買わないと思った。

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