書評:『主食をやめると健康になる』
- 作者: 江部康二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
前から気になっていた本。糖質制限食、やってみようかと思って購入。
言及はされてないけど、フィット・フォー・ライフ ??健康長寿には「不滅の原則」があった!(ナチュラル・ハイジーンのバイブル)に記載されている食べ合わせの考えに近いんじゃないかと思った。
この本で紹介されている糖質制限のやり方のうち、プチ糖質制限(夕食だけ糖質を抜く)というのはフィット・フォー・ライフの炭水化物とタンパク質をセットで食べるな、というのと結果的に同じに見える。
糖質制限は血糖値に注目してい、ナチュラル・ハイジーンの方は消化の負担とか体全体に注目しているかの話。
ナチュラル・ハイジーンはベジタリアンよりで肉類に否定的だったかも。
エドガー・ケイシー療法でも昼に炭水化物、夜はタンパク質中心、というような食事の仕方は紹介されていたはず。
ナチュラル・ハイジーンもケイシー療法も理屈は説明していなかったけど結果的には血糖値の変化を抑制していたのか。
印象に残った点
脂肪摂取量と寿命のグラフ。 ここがおかしい 日本人の栄養の常識 -データでわかる本当に正しい栄養の科学- (知りたい!サイエンス)という本からの引用されているもの。
脂肪の少ない食品がヘルシーという話はなんだったのか。
以下の「食い分け」という概念も面白い。
症状の改善だけなら、人類皆糖質制限食でよいと思いますが、地球の人口70億人を養うために穀物は必要です。このことをふまえて食い分けが必要だと考えています。
江部 康二. 主食をやめると健康になる (Kindle の位置No.1012-1014). ダイヤモンド社. Kindle 版.
一番ショックだったのは以下のくだり。
(前略)
このように単純比較はできないものの、食事指導をしていない日本全体のデータよりも、食事指導を徹底した久山町のデータのほうが、糖尿病の増加率も有病率も明らかに高いというパラドックス(逆説)が起こっています。久山町で指導された食事療法は、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(糖質60%、脂質20%、タンパク質20%)です。こうしたカロリー制限の高糖質食を行う限り、運動療法を取り入れても糖尿病の増加をくい止められないということが、久山町の研究で証明されたのです。
江部 康二. 主食をやめると健康になる (Kindle の位置No.1152-1157). ダイヤモンド社. Kindle 版.
以前からカロリー主体の栄養学には疑問だったけどこれはひどい。
仮説が間違っていたならさっさと軌道修正しないと。
この栄養指導した人たちはちゃんと「ごめんなさい」したのかね?
過剰な減塩信仰もそうだけど、なんというか日本人って軌道修正がホントに苦手。
まとめ
なんというか、古い健康常識がはびこりすぎだなあと思った。
できる範囲から少しずつ糖質制限に移行したいと思っている。
そもそも最近は、朝食にキウイフルーツ、昼食は主に炭水化物+野菜、夕食が野菜とタンパク質+炭水化物で炭水化物を抜くときもあればがっつり炭水化物を食べるときもあるという感じなので、あまり大きな違いは出ないと思う。
間食に食べるものを今までと変えて、夕食をちゃんと糖質を考慮したものにすればプチ糖質制限になるのでまずはそこから。
食費が増えないか心配ではあるけど、間食を減らせばいいのではないかと思っている。