知識のブラックホール

知識収集活動全般。

こんなだめな人だったのか……(書評:『我が逃走』)

「我が闘争」、ではなく「我が逃走」。そう、逃走というのがポイント。

我が逃走

我が逃走

内容紹介

ひきこもりからIT企業の社長になった家入一真氏の、上場前後から飲食業に手を出してからの没落(?)あたりの経緯を自伝みたいに綴った本。

家入氏の著作はオーディオブック版の「もっと自由に働きたい」以来、2冊め。

ダメ人間として名高い一方、76世代の経営者としても知名度は高い。有名なのはロリポップとかムームードメイン。

自分で実際にプログラムを書いたことのある経営者としてはすごい実績のある人。

自分の会社を上場してから社長退任というすごい人物でもある。

肝心の内容はと言うと、1章、2章が上場するまでの順調だった時期の話。3章からが暴走・転落。

5章が必死の立て直し。6章「やさしいかくめい」というタイトルでLivertyとかBASEなどの新しい活動の話でかなり面白い。7章が都知事選の話など。

キャッチコピーの類をつけるなら、家入一真と愉快な意外な仲間たちの波乱の10数年という感じ。

ロリポップのようなサービスを作る秘訣とかそういうもの基本的にない。どんな人と出会ってどう失敗したか(とくに飲食)はたくさん書いてある。

ただ、作るサービスに先に名前をつける話は書いてある。

6章ので登場するLivertyについては以下のサイトを参照。

liverty.co

感想

秘書さん有能すぎでしょ。面倒見よすぎというか。それが一番の感想。

最初はいいんだけど、3章からだんだん読み進めるのが辛くなる。で、6章からいい知り合いがいてよかったねという感じ。

面白いのはクラウドファンディングサービスのCAMPFIREとかBASEの立ち上げに関わっていくところ。

ダメさ加減もすごいのだが、なんだかんだで助けてくれる周りに人に恵まれている点もすごい。

社長が会社に来なかったりで結果的に人が育ったというのはなかなか興味深い。

6章で提唱している雇用契約に縛られない働き方に関する家入氏の意見には基本賛成。

親としては駄目だろうけど、普段の生活に居心地の悪さを感じている人にとってはものすごい救い。

巻末の松山大河氏による解説もなかなか面白いので一読の価値はある。

もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)

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  • 作者: 家入一真
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2012/08/26
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